古本のすゝめ
古本のすゝめ
日本の、世界の経済を回す意味だとか、小説家の方達への収入、出版社の利益などを考えると、本屋で買うのが一番に決まっている。でもありがたいことに、新品で買った本を読み終えた人たちが売りに出してくれている古本屋なるものが町中には溢れていて、ネットショッピングでも古本が取り扱われているのは言うまでもない。
このブログを読んでくれた人たちが皆古本で本を買ったとしても、日本の経済に大きな影響はないだろうし、大きな出版社が潰れることもないだろう(もしそんな影響力を持つようになろうものなら、この文章を消して新品を買え、と言い直しておく)。
今日は古本のすゝめと題して、本をもっと身近で気軽なものになるよう話していきたいと思う。
古本の値段
古本の相場だけれど、店舗では最安値が108円のところが多いように感じる。しかし決まりはなく、一律新品の本の半額と決めているお店もあるし、新刊のハードブックは1500円くらいと新品から少しだけ値さがっている、安いだけに飛びついては旨味のない値段だったりもす。
ちなみに私は地元の古本屋さんが1冊80円、2冊で100円という訳のわからないサービス棚がある。ここで掘り出し物を見つけることは、目利きを試されているよな気分になる。いかに読みたい本を安く手に入れられるか、何店舗かお店を知っていると面白いかもしれない。
あとは読書仲間ではお馴染みなのだが、お正月に行われるブックオフでのウルトラセール。全品20パーセント引きになるので、欲しい本が無くならないことを前提に、冬に向けて欲しい本のリストを作りはじめるのだ。
渋谷109にてメガホン越しの初売り、福袋戦争が行われている中、全国各地のブックオフは静かな戦争が行われている。レジに積む本の数は、掘り出し物を探し出したというステータスになる。
これは去年のセール広告
古本を薦めたい理由
それは、一冊の値段が108円だ体。108円で数時間も楽しむことができるって、最高にコスパがいい。このコスパを共有したいのだ。
缶コーヒーを一回我慢する値段で、心臓に悪いくらいのミステリー小説が読める。
一駅歩いて浮いた交通費で、現実と錯覚したくなるような恋愛小説が読める。
水筒を持っていってその日のペットボトルのお茶代で、号泣するような感動小説が読める。
タバコを一箱分で、まだ値下がっていない新しい文庫本が買える。
飲み会3時間で消えていく会費分で、1ヶ月じゃ読みきれないだけの小説が買える。
趣味や嗜好品は人それぞれだから、XXを我慢して本を買いなよなんて偉そうなことは言えない。でも、この108円をみて何かと引き換えに一冊買ってみてはどうだろうか。多分、この本も売っていると思うから。
本の内容
大学生のゆきなの前に、長く会っていなかった兄がいきなり現れた。女性と料理と本を愛し、奔放に振舞う兄に惑わされつつ、ゆきなは日常として受け入れていく。いつまでもいつまでも幸せな日々が続くと思えたが…。ゆきなはやがて、兄が長く不在だった理由を思い出す。人生は痛みと喪失に満ちていた。生きるとは、なんと愚かで、なんと尊いのか。そのことを丁寧に描いた、やさしく強い物語。
九つの、物語
主人公は本を読むのが大好きな女の子なのだけれど、古本屋で買った本、お兄ちゃんの本を読んでいく。この本の描写がとても好きだ。この本を読んでから古本がただの中古本という認識から、誰かが読んだ文字をまた私が読んでいるというロマンチックな思考回路が出来上がった。
古本の間に挟まっていた栞をみつけると、前の誰かの存在を感じる。それは決して気持ち悪いものではなく、受け継がれていくような感覚だ。古本についた古臭い、新品の本にはない独特な臭いをもこの本の味になる。
古本の現実
私はだいたい古本で買うが、なんの不安もないわけではない。衛生面はもちろん、すごく嫌な嫌がらせで、ミステリー小説にネタバレを書いてくれちゃってる親切な人がいるらしい。私はまだそういった本に出会っていないので、本当にわずかだと思うけれど。
私がそういう嫌な思いを自分がしないように、自分で対策を立てているので紹介しておく。
ネタバレ対策
①買ってすぐに左から右へパサーとページをめくる。シュルルルル、と。その時に不自然なボールペンや鉛筆の影がないかを確かめる。
②面白すぎるミステリー小説や結末を絶対最後まで知りたくないときは、この本を読まない人に落書きチェックをしてもらう。
衛生面
店舗の古本はそこそこに信頼しているが、メルカリやヤフオクで購入したものは自分でアルコール消毒や除菌シートで一拭きしている。汚れたものを送ってくるだなんて思っていないが、スーパーの入り口にすらアルコール消毒を自由に使える時代なのだ。もはや私のルーティン程度で、やって無駄なことはない。
でも、店舗の古本は綺麗なものですよ。売ってくれる人もより高く売ルために大切に扱っているんでしょうね。綺麗な本が手に入ると、読むことも丁寧にしようと思える。
最後に
古本は安くて、読みたいなと思った本に気軽に手が出せる。だから金銭面でのハードルが下げられたら嬉しいなと思い、紹介した。108円の投資で、素敵な出会いがありますように。絶対にミスらない選書はこちらの記事からどうぞ。
尚、私は新幹線に乗る時と、本屋が潰れる時は、新品の本を買うというルールを設けている。
読者初心者へおすすめ「青春小説」5選
読書のすゝめ
本を読んでいると、脳内トリップで時空が歪んでしまうことがある。本の中で生きている高校生や大学生をみて「ああ、自分のあの頃は」なんて回想にひたってみたり。こんな青春時代を過ごしたかったな、と少しだけ後悔したり。
www.soranoworld.com青春小説を読んで、 若かりし頃のことを思い出してみては。思いを馳せるのも良いと思う。思い出は良いことはもちろん悪いことも時に脳内補正がかかって輝いて見えることもあるから。あの頃の自分たちが、今の自分を作っているのだ。
ご気分リスト
映画館で観たいタイトルを選べるのは、その場で選べるタイトルが決まっているから。こんな仮説のもと、私が絶対に面白いを自信持って紹介。ご気分リストは、足を運ぶ映画館を選ぶ感覚でどうぞ。限られた5本の中からなんとなくでいいから選んでみて。そのなんとなく、も本との出会いには大切な直感だから。
- ほっこりしたり
- ハラハラしたい(ミステリー系)
- 泣きたい
- 動物系
- 自己啓発系
- 歴史を感じたい
- ドキドキしたい(恋愛系)
- 青春を味わいたい⇦現在地
- 本が好きになりたい
恩田 陸『夜のピクニック』
ページ数:多い(455ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★✩✩
内容の難しさ:★✩✩✩✩
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:あり
私の読書人生が始まった一冊。児童書を読んでいた日々から小説に切り替わった、始まりの本。夜のピクニック、通称夜ピク。歩行祭を実際にやっている高校が茨城県にあり、中学生だった私はその高校へ入る術はあるのかと調べたほど。ただ歩くだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう。
伊坂 幸太郎『砂漠』
ページ数:多い(455ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★✩✩
内容の難しさ:★★★✩✩
重要ではないが、麻雀の話が出てくるのに苦手意識を持たないように。
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:なし
THE青春小説です。この本は、かつて学生だった人たちへ自信を持っておすすめできる。現役の大学生にはおすすめどころか押し付けて読ませている。正しさって何だろう、まっすぐ生きるってかっこ悪くて、でもかっこいい。
谷村 志穂『空しか、見えない』
ページ数:普通(360ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★✩
内容の難しさ:★✩✩✩✩
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:なし
この本はちょっと変わり種ですよ。「青春小説 おすすめ」の検索でも上位では上がってこないと思う。不意に出会った一冊。とても読みやすくて、友情とか頑張った記憶とか、そういうのって大人になっても支えてくれるから不思議だ。今を生きている、でも今を生きている私を作ってきたのは過去の私何だよなぁ。
喜多川 泰『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
ページ数:少ない(215ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★★
内容の難しさ:★✩✩✩✩
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:あり
人生は出会いの連続だ。出会いに優劣をつけることはできないが、人生に欠かせないと思う人との出会いはきっと多くはない。そんな人と出会えたら、それはとても幸せなことなんだろう。
はやみね かおる『都会のトム&ソーヤ』
ページ数:普通(354ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★★
内容の難しさ:★✩✩✩✩
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:なし
初めて好きな作家さんとして名前を覚えた「はやみねかおる」。元々は児童書なのだが、文庫本として売っているのを見つけて即買い。こんな冒険、一生ないと思う。マンホールの下に行くなんてあり得るわけがない。でも、小説の中くらい大冒険しよう。青い鳥文庫出身の読書仲間は大抵はやみねかおるシリーズを読んでいるので、大人になってもこのシリーズを読んでしまう気持ちは理解してもらっている。児童書で出会えなかったあなたの手元でこの大冒険が繰り広げられますように。
最後に
実は、青春小説は私の読んできた冊数が圧倒的に少ない。好きなジャンルの違いだ。しかし、積読として本棚には青春小説なるものが何冊か待機している。読んでいないけど青春小説としての王道と言われる本を少し紹介しておく。早めに積読から救出してあげよう。アップデートされたらランキングの入れ替えがあるかもしれない。
読者初心者へおすすめ「泣ける本」5選
読書のすゝめ
電車に乗った時、いつもは携帯を出すところ小説を出してみてはどうだろうか。小説も、一つのファッションだと私は思う。座席に座る10人前後の人たちの並びの中で、皆が携帯をいじっているところ、一人小説を開いている姿は目に留まる。
小説が似合う人も素敵だし、「意外」と思われることも快感の一つだ。
周りの目を気にしながらでも小説を開いてみるといい。気づけば周りの視線など気にならないほど読書の世界に引き込まれることもあるだろう。うたた寝以外の乗り過ごしも、たまにはいいものだ。
ご気分リスト
映画館で観たいタイトルを選べるのは、その場で選べるタイトルが決まっているから。こんな仮説のもと、私が絶対に面白いを自信持って紹介。ご気分リストは、足を運ぶ映画館を選ぶ感覚でどうぞ。限られた5本の中からなんとなくでいいから選んでみて。そのなんとなく、も本との出会いには大切な直感だから。
- ほっこりしたり
- ハラハラしたい(ミステリー系)
- 泣きたい⇦現在地
- 動物系
- 自己啓発系
- 歴史を感じたい
- ドキドキしたい(恋愛系)
- 青春を味わいたい
- 本が好きになりたい
出先でのの読書に注意 「泣ける小説」5選
無駄に泣きたい時もある。そして泣くことはストレス発散にも繋がるそうな。涙活なんてものもあるらしい。悔しい時、感動した時、悲しい時、嬉しい時、大人になるにつれて泣くことは恥ずかしいことと思ってしまうけれど、せっかく備わった感情を押し殺すなんてもったいない。
泣ける小説を読んで、ストレス発散して、明日が今日よりちょっぴりいい日になりますように。
瀧本 古都『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』
ページ数:少ない(276ページ)文庫本未発売
物語への入り込みやすさ:★★★★★
内容の難しさ:★✩✩✩✩
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:なし
帯に、電車の中では読まないでください。ラスト30ページ、衝撃の結末に号泣しました。とある。この忠告を守り、そして泣くぞ、と意気込みベッドの中で最後の30ページを読んだ。この時に流した涙はとても温かくて、泣くことで満たされる気持ちになる。
大切なことって、どんなことを言っているのか、探しにいってみませんか。
住野 よる『君の膵臓を食べたい』
ページ数:普通(328ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★✩✩
入り込むまで時間がかかったと言う人もちらほら。
内容の難しさ:★★✩✩✩
読了後:★★★★✩
実写化・アニメ化:あり
2度、3度読むことでこの本のメッセージがじわりじわりと私に伝わってきた。よく言う明日死ぬかもしれない、この言葉が物語になったようなストーリーで特に大切な本のうちの一冊だ。
映画化とアニメ化がされているが、映画ははっきり言って別物だ。私が大切だと思ったシーンが全く映し出されていない。小説で味わってもらいたい、爽やかな物語。
中村 航『100回泣くこと』
ページ数:少ない(208ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★✩
内容の難しさ:✩✩✩✩✩
とても簡単、イージー。
読了後:★★★★✩
実写化・アニメ化:あり
オリジナル設定になっているとのこと。
私が中学生の時に読み(10年以上前)、感動した本。そして今だに(2019年現在)「泣ける小説」としていまだ世間に愛されている小説。とても読みやすく、読者初心者には本当におすすめだ。
川村 元気「世界から猫が消えたなら』
ページ数:少ない(229ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★✩
内容の難しさ:★✩✩✩✩
回想や、場面の移動があるので斜め読みはおすすめしない。
読了後:★★★✩✩
ストーリーとしてはスッキリ終わるが、あともう少し先まで書いて欲しかったとも思うだろう。この先は読者の想像にお任せします、そんな終わり方の小説を味わってみては。
実写化・アニメ化:あり
「君の膵臓を食べたい」同様、小説で味わってもらいたい一冊。描写が細かく表現されていて、静かで綺麗なお話だ。本当に大切なものって、当たり前すぎて気づかなくなってしまうんだよね。
伊吹 有喜『四十九日のレシピ』
ページ数:普通(293ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★★
内容の難しさ:★✩✩✩✩
読了後:★★★★★
これはとっても面白い!そしてホロリと泣ける。人と人の繋がり、成長、出会いと別れ。亡くなっても尚、生きる力や生きる力を分けてくれる人たちの出会いを作った乙美が伝えたかったことは。優しい気持ちになれるよ、きっと。
最後に
病気や死はたぶん、涙を誘いやすいと思う。実際、泣ける本で人が死ぬとか、死んでから始まるとか王道ストーリーだと思う。でも、人の死を小説で読むとね、今生きてることに喜びを感じたり、明日が楽しみになったりもする。泣ける小説というのはは人生を客観的に学べる場所だ。思い切り泣いてスッキリしたら、またはじまる新しい1日を大切に生きよう。
読者初心者へおすすめ「ミステリー小説」5選
読書のすゝめ
読書をしたい、そう思った時が好機。その好奇心が冷めないうちに、道しるべとなるように面白い本へご案内。
一生かけても読みきれない数の本がこの世界にはあって、本との出会いも立派な一期一会だ。大切な一冊とと出会えます様に。
ご気分リスト
映画館で観たいタイトルを選べるのは、その場で選べるタイトルが決まっているから。こういう仮説を立て、私が絶対に面白いを選び抜きました。ご気分リストは、足を運ぶ映画館を選ぶ感覚でどうぞ。その映画館で上映しているのは5本だけ、適当に選んで読んでみて。
- ほっこりしたり
- ハラハラしたい(ミステリー系)⇦現在地
- 泣きたい
- 動物系
- 自己啓発系
- 歴史を感じたい
- ドキドキしたい(恋愛系)
- 青春を味わいたい
- 本が好きになりたい
「ミステリー小説」5選、ここから選べば間違いなし
ミステリーって幅広いんです。シリーズになっているもの、分厚い長編もあれば短編や薄いけどドキドキが止まらない、時に感動したりだってするのがミステリー小説。
そしてミステリーのエンディングはスッキリと、時にもやっとがある。今回はスッキリするものを紹介します。
乙一『暗いところで待ち合わせ』
ページ数:少ない(206ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★★
内容の難しさ:★★✩✩✩
人の死:あり
読了後:★★★★★
実写化・アニメ化:あり
表紙で少し敬遠されそうなのがもったいない、と思う私一押しのミステリー小説。友達にプレゼントしたことが2度あるくらい自信あり。新幹線や飛行機などの移動時などにちょうどいい文量と厚さなのも手軽でおすすめ。
友井 羊『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』
ページ数:普通(290ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★★✩
内容の難しさ:★✩✩✩✩
人の死:なし
読了後:★★★✩✩
シリーズ物なので、店長との関係がいまいちスッキリしないところがある。続編を読もう。
実写化・アニメ化:なし
スープ屋しずくの謎解き朝ごはん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 作者: 友井羊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2014/11/07
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (14件) を見る
短編ミステリーなので、一日1話読むという区切りも可能!心臓バクバクする様なミステリーでもないので、あのドキドキが過ぎるのが苦手、という方にも安心して読んでもらえると思う。
そしてこの本を読むと、朝ごはんが食べたくなる「美味しい小説」でもある。
近藤 史恵『サクリファイス』
ページ数:普通(290ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★✩✩
スポーツに興味がないと入り込むまで時間がかかるかも。
しかし知識がなくても問題なく、後半にさしかかってくると眠れぬ夜になるので注意。
内容の難しさ:★★✩✩✩
人の死:あり
読了後:★★★★✩
読み終えた時、きっと大きな深呼吸をすると思う。
実写化・アニメ化:なし
ある年の誕生日プレゼントでもらった本なのだけれど「お誕生日によくもこんな過激な本を!」と最高のリアクションが出来た、とても心臓に悪い本だった。この概要説明だけでは説明しきれていない面白さがつまっている。
あまり抑揚のない進み方だが、気づいたらページを進める手が止まらないだろう。
越谷 オサム『陽だまりの彼女』
ページ数:少し多い(342ページ)
物語への入り込みやすさ:★★★✩✩
内容の難しさ:★✩✩✩✩
人の死:なし
読了後:★★★★★
正直戸惑った、想像もしていなかった結末に。速攻読み直すだろう。そんな結末が待っている。
実写化・アニメ化:あり
「ほっこり小説」としての紹介をすることも考えたけれど、これはやっぱりミステリーだよね、と引っ張り合いの末こちらにカテゴリに。
本の概要にある様に、何も考えず恋愛小説として読んでくれればいい。この本がミステリーだったなんて、読み終えるまで知らなかったんだもの。
東野圭吾『流星の絆』
ページ数:とても多い(624ページ)
持ち歩くにも重量を感じるサイズ。読み終えた時の達成感も付いてくる。
物語への入り込みやすさ:★★★★★
内容の難しさ:★★★✩✩
少しいったりきたりするのが苦手な人には少し難しい。
人の死:あり
読了後:★★★★★
東野圭吾らしい、といったら偉そうか。それでも東野圭吾の作品のこういう結末が
実写化・アニメ化:あり
読み終えるのがもったいない、と思う作品と出会うことが小説を読むのをやめられない一番の要因だと思う。先がきになる、早く読み終えたいのに、読み終わるのがもったいない。この本も私の中でそういう一冊。ドラマを見たことがあるひともいるかもしれないが、小説にはもっと多くの登場人物がいるぞ。(ドラマのサイトを見て確認した)
最後に
小説の中でもミステリーは特に多いのではないか。私もいまだに読んだことのない作家さんも多くて、でも私が読むペースより日々発売される本の方が多くて読みたい本が増えていく一方。
ここでは紹介しきれていない心臓に悪かったミステリー小説もまた、紹介できる場を作れたらと思う。
素敵な本との出会いがありますように。ではまた違うリストでお会いしましょう。
読者初心者へのおすすめ「お仕事小説」5選
読書のすゝめ
読書をすることが偉いわけではない。
でも、世の中には読書をするか、しないかのどちらかしかない。
だったら読書をした方がいいに決まっている。
だって人生は一度きりなのに、本を読めばちょっと違う人生も疑似体験できるから。
突然、映画デートに行くことになった!そんな時、きっとあなたはその限られた上映スケジュールの中から気になるもの、好きなジャンル、一番面白そうなものを選ぶと思う。
限られているからこそ、選べる場合がある。もし面白くなくても、その限られた中からの最善を尽くしたから仕方ないという諦めがつく。
それと同じような状況を作りたいなと思って現在リスト製作中!
ここでは、気分で選んでもらう。これは足を運ぶ映画館を選ぶ感じ。そこの映画館(リンク先)に行ったら、その中から適当なタイトルを選んでみて。面白くなかったら 私のせい!でも、自信を持っておすすめするから、身構えず、スーッと手にとってみて。
ご気分リスト
- ほっこりしたり
- ハラハラしたい(ミステリー系)
- 泣きたい
- 動物系
- 自己啓発系
- 歴史を感じたい
- ドキドキしたい(恋愛系)
- 青春を味わいたい
-
働くことに前向きになりたい ⇦現在地
- 本が好きになりたい
「お仕事小説」5選、ここから選べば間違いなし
自分の仕事に誇りが持ちたくなる。働き方を見つめ直したくなる。昔なりたかった職業を思い出す。明日がちょっぴり楽しみになる。
三浦 しをん 『舟を編む』
ページ数:多い(347ページ)
物語への入り込みやすさ:すぐに入り込める
内容の難しさ:マジメくんが時々難しい喋り方をする
読了後:すっきり
実写化・アニメ化:あり
時の流れ、人の成長が鮮やかに書かれた、静かで情熱に溢れる一冊。
小学生の時に授業で使っていたのはただ重たいだけの辞書。強いて言えば女の子は押し花を作るためのアイテムで、男の子は「おっぱい」をきっと引いていたであろう紙の辞書。
思い出すこともなかったのに、手のひら返したかのようにあの重さも厚みも愛おしくなる。
原田 マハ『本日は、お日柄もよく』
ページ数:多い(381ページ)が、行幅が広く文字も少し大きい
物語への入り込みやすさ:すぐに入り込める
内容の難しさ:なし
読了後:すっきり。心晴れ晴れ。
実写化・アニメ化:あり
ページ数はあるものの、活字に苦手意識のある人には嬉しい少し文字のサイズが大きく、読みやすさも保証できる。
自分を大事にしてあげたくなる。自分を幸せにしてあげたくなる。
これは私がこの本を読み終えた時の感想。人生は日々勉強、日々成長。好きなこと、情熱を持てることを仕事にしている人は強いと思う。現実がこんなにうまくいくわけないとしても、行動しなければ何も変わらないんですよね。
困難に向き合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
三時間後の君、涙がとまっている。
二四時間後の君、涙は乾いている。
二日後の君、顔を上げている。
三日後の君、歩き出している。
山本 甲士『ひなた弁当』
ページ数:多い(381ページ)が、行幅が広く文字も少し大きい
物語への入り込みやすさ:半分あたりから急速に面白い
内容の難しさ:なし
読了後:爽快
実写化・アニメ化:なし
前半は淡々としているのだけれど、後半から急激に面白くなる。前半が耐えられない人にはおすすめできないのだが、読み進めることで面白さが加速するのは小説らしいとも思うので、チョイス。
この本の面白さを例えるなら「面白いからお父さんに読ませたい!・・・いや、お父さん仕事辞めちゃうかもしれないから教えないでおこう・・・」と思ったほど。
有川 浩『県庁おもてなし課』
ページ数:多い(503ページ)文字も細かい...
物語への入り込みやすさ:ずっと面白い
内容の難しさ:苗字や地名に馴染みがないと少し慣れるまでかかる
読了後:すっきり、微笑ましい
実写化・アニメ化:あり
誰かのために行動する姿、成長する姿、心を許したり許されたりする人と人の繋がり。理想を描かなければ目指すこともできない。淡々と仕事をこなすのではなくて、目的を持って仕事に向き合うと、きっと今の仕事は今より楽しくなるのかもしれない。
私はこの本を読んだその年に、この本の舞台である高知県に行って食べて飛んで泳ぎました。自然が観光だった、本当に。
伊坂 幸太郎『AX』
ページ数:少し多い(312ページ)まだハードブックしかない
物語への入り込みやすさ:初めから面白い。伏線があるから丁寧に読んでほいしい
内容の難しさ:章立ては気にしないこと
読了後:爽快
実写化・アニメ化:なし
最後のお仕事はなんと殺し屋!ちょっと変わり種を、なんて思ってのチョイスだが、実は間違っているんじゃないかと少し不安。しかし、面白い本には違いない。
少しハラハラして、なんだか切なくて、そして殺し屋であり父親であった。
私の読了後のメモに「もしかしらた殺し屋って本当にいるのかも・・・」ととぼけた記しが。でも、本当にそう思ったんだ、それくらい日常と変わりない世界がこの本には描かれている。
最後に
私が実際に読んだ、5冊を紹介しました。
物語の進むテンポや、言い回しの好み、伏線のはり方など、同じジャンルの中でもいろんな作家さんの本も読んでみてください。(つまり5冊全部読み比べもおすすめ!)
素敵な本との出会いがありますように。ではまた違うリストでお会いしましょう。
20代からはじめる読書のすゝめ
20代からはじめる読書のすゝめ
学生の時の課題図書を無理やり読んでいた、大学の時に課題をやるためだけに新書を読んだ・・・強制された読書をしてきた人も少なくはないのではないか。読書にハマるきっかけはいたるところに溢れているが、強制された読書からはなかなか掴みずらいだろう。活字を読むのが苦手、という苦手意識を払拭できる魔法はかけられないのだけれど、これも読書なの?っていうくらいハードルを下げることの手助けはできると思うから。20代への読書のすゝめを解いていきたい。
まずは映画化・ドラマ化された本を手に取る
圧倒的な人気を持ってして実写化される本は、幅広い世代から支持された原作だと思って間違いない。そして、映画やドラマを面白いと思ったら、原作は絶対にもっと面白い。なぜなら細かい描写や尺の都合でカットされているところが本の中だと最高に面白いところだったりする。
好きなジャンルを見極める
読みたいものがなんなのか、読書に何を求めているのかを見極めるといいかもしれない。例えば「映画は何が好き?」という会話がよくあると思う。
アクション、コメディ、ドキュメンタリー、ロマンス、ホラー、アニメーション・・・etc
はっきりとわかっていなくても、映画館に行ってみたいもの、というのは人それぞれ個性がでる。ちゃんと好みというものがわかっているからだ。それに加え、
この中からなら選べる。
映画館でみたい作品が決められるのは選べるものが限られているからだ。じゃぁ、この中から好きなのを選んでみませんか?
- ほっこりしたり
- ハラハラしたい(ミステリー系)
- 泣きたい
- 動物系
- 自己啓発系
- 歴史を感じたい
- ドキドキしたい(恋愛系)
- 青春を味わいたい
- 旅に出たくなる
- 働くことに前向きになりたい
- 本が好きになりたい
リンクがないところは準備中。新書やエッセイなどは入れず、このリンク先は小説だけの紹介にしようと思う。
受動的な読書をする
Amazonのオーディオブックが普及し始め、活字を読むことが好きだけが読書ではない時代となってきた、と格好をつけて言いたいのだが本を耳から聴くことは昔から私たちはしてきている。ラジオ。私はNHKの青春アドベンチャーでの朗読がとても好きで、約2週間かけて一冊を読んでくれるこの時間は毎日逃せないルーティンだった。ラジオドラマというワードで検索すると他にもチャンネルはあるようだ。
ラジオで自分の好きな本を選ぶことができないが、ただ聴くだけで物語を一つ知ることができるのはハードルがとても低いと思う。もちろん、Amazonオーディオブックもおすすめだ。気になってたけどなかなか手が出せなかった本を読んでもらえるのははっきり言って楽だ。ちなみに今、私もAmazonオーディオブックを流しながら書いている。
青春アドベンチャーで伊坂幸太郎の「終末のフール」を聴いた時、なんだこの面白い物語は、と紙の小説に手が出た。 伊坂幸太郎は、「好きな作家は誰?」と聞かれたら真っ先に答える作家だ。耳でする読書は、聴書(ちょうしょ)なんていう単語が生まれてくるのではないか。こういう本の出会い方もあるから、試してみる価値はあるだろう。
まとめ
レンタルショップに行って適当に選んだ映画があまり好みではなく「失敗したなぁ」なんて思うこともあるだろう。読書、選書もそれと同じだ。読書は好みではなかったという失敗を繰り返す中で時たま「めちゃくちゃ面白い」本に出会うことを繰り返して本が好きになる。
読み始めた本を途中でやめることを悪いことだと思っていませんか。面白くない、と思ったら途中でやめていい。もったいないと思うかもしれないけど、今出会うべき本ではなかっただけのこと。面白そうだと思って手に取ったその本は、いつかまた手にしたくなる時まで温めておけばいい。そんなもの、それだけのこと。気軽に本を、読んでみよう。
おすすめの本のリンク先を作っている間、この本を読んで待っていてね。
有川浩『阪急電車』
小説
映画
東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
小説
映画
原田マハ『本日は、お日柄もよく』
小説
ドラマ